社内の運転免許をとった話(後編)

仕事
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この記事には前編、中編があります。

まだ読んでいない方はそちらからどうぞ。

前回までのあらすじ。

免許取得に向けて実技演習を受けるわたし。

点検からヒュージャックマンにカウンターを取られ、走行中には謎の呪文を唱えられ、

挙句の果てにはハンドリングリズム天国。

果たして、わたしは無事合格することができるのか・・・?

いざ、実技演習

後輩と交代し、わたしも同じように、コース走行しハンドリングの練習をしました。

先ほどと同じようにヒューが「右プッシュ左クロス左プッシュ右クロス。」と

流れるように指示を出してきます。

後部座席に乗っているときは三半規管がやられて眩暈がしていましたが、

自分が運転していると案外平気でした。

代わりに後輩が青い顔をしているのがバッグミラー越しに確認できました。

路上デビュー

午前中は施設内でひたすら練習を行い、休憩を挟んで午後の演習が始まりました。

「じゃあ次は路上へ出てみようか。」

路上もあるなんて聞いてなかった、まじで教習学校と変わらないじゃないか・・・。

午前と同じように後輩が先に運転することになりました。

「路上はコース以上に気を引き締めて運転してね。」

ヒューが目を光らせながらわたしたちに言いました。

施設から出ていき、一般道を走行してから少しした後に、ヒューが前方を指さしました。

「標識!注意!」

・・・何が始まったんだ?と思うよりも先にヒューが追い打ちをかけます。

「繰り返して!!!」

「・・・ひょ、標識、注意。」

後輩が慌てて繰り返しました。

曲がりくねった道でコールせよ!

その後もヒューがミュージカルのように叫びながら右を指さしたり、左を指さしたりします。

「前方注意!」「ブレーキよし!」「歩行者注意!」「進行方向横断歩道あり!」

後輩も従順にヒューの言葉を繰り返します。

もはやコールしすぎて運転の妨害をしているのではないか・・・。

「当日、このコールが無かったら減点対象になるから、気を付けてね。」

まじか。

今までそんなコールしながら運転している人に出会ったことないけど、

ここではコールせずんばドライバーにあらず、合格できないらしい・・・。

明日はテスト!

例のごとくわたしも路上へ出て、ヒューとコールを行いました。

「前方?」「注意!」「ブレーキ?」「よし!!!」

まるでアイドルとオタクのように息の合ったコールを繰り広げるわたしたち。

一通り施設の周りを走行し、施設へ戻ると長かった講習が終わりました。

「今日やったことを忘れないでね。明日頑張ってね。」

ヒューがクールに締めくくり、わたしと後輩は帰路につきました。

帰宅してから、わたしは念のためにリングフィットのリングコンでハンドリングの練習をしました。

完璧なプッシュプルを決めてみせる・・・。

テスト当日、免許をつかみ取れ

ようやくテスト当日を迎え、昨日と同じようにヒューが現れました。

「ではテストを始めます。」

昨日よりも丁寧な口調でヒューが口火を切り、途端に緊張感が走ります。

「まずは二人で点検をしてください。」

昨日習った通りにわたしと後輩はボンネットを開け、ひとつずつチェックしていきます。

その後も外観チェック、車内に乗り込み各ボタンのチェック。

昨日の今日で記憶がまだ新しかったので、迷うことなく進めることができました。

点検を終え、コース走行とハンドリング。

まず後輩がドライバーになり、わたしが次に操作しました。

ハンドリングはリングコンの練習の甲斐あってか、昨日よりもうまく扱うことができました。

いい感じじゃないか・・・。

後輩の路上走行

いよいよ最後の路上走行となり、後輩が運転していきます。

「おお、昨日より良くなってるね。」

ヒューが感心したように後輩を誉めます。

これは合格のお墨付きだな・・・。わたしは心の中で後輩に祝福の拍手をしました。

一通りの走行を終え、ヒューが総評を後輩に伝えました。

「1日でよくしようという気持ちが分かりました。おめでとう。」

ヒューが小さなカードを後輩へ手渡しました。それは社内運転免許でした。

最終関門、わたしの路上走行

遂にわたしの番となり、緊張しながら運転席へ乗り込みました。

ゆっくりと走りだす自動車。

昨日の指示通り、コールをしながら山道を走り抜けていきます。

順調に走行していると、対向車線に1台の自転車が走っているのが見えました。

「自転車、注意!」

コールチャンスを逃すまいとわたしは叫びます。

すると、自転車の後方からバスが走ってきて、

自転車を抜かすために膨らみながらこちらへ向かってきました。

え・・・?なんかやばくない?

走っている道は山道で車幅はそこまでありません。

にもかかわらず、バスは遠慮なく中央線を割って走ってきます。

ちょっと待って???

ゆっくり走行していたわたしですが、あまりにも接近してくるバスに怯えブレーキを踏みました。

バスはスレスレでわたしたちの横を通り抜けていきました。

「・・・・・・」

ヒューが考え込むように、試験のチェックリストに目を落としていました。

あ・・・。

落ちました?今の判断間違ってました・・・?

心の中ではヒューに縋るように聞きたい気持ちでしたが、

試験中なので、わたしは震える手を抑え、再びハンドルを握りました。

合否通告、わたしは合格できるのか?

残りの道を走り切り、車を停車させわたしはヒューを見ました。

「ほわぽさん、随分緊張していたみたいだね。」

不合格ムーブきてんな・・・。

わたしはそう思いつつ、はい、緊張しました。と返事しました。

「路上、バスが急に接近してきてびっくりしたでしょ。」

びっくりしたわ。なんであんなに近づいてくるんだあのバス。

「普段の運転はああいうことも起こるからね。」

「はい・・・」

励ましの流れを感じ取り、自身の不合格を確信したわたし。

「まぁ悪くなかったよ。はい、これ。」

免許が目の前に差し出されました。

ヒュージャックマン!!!!!!!

そう、わたしも無事、免許を取得することができたのです。

それから

見事合格できた後輩とわたしはその日、二人でご飯を食べに行きました。

「あのバス、自分の時じゃなくてまじでよかったです。」

後部座席に乗っていた後輩もあの時わたしの不合格が一瞬過ったらしい。

まぁそもそも普通に運転できれば合格できる難易度

とリーダーが言っていたのをわたしたちは忘れていました。

何はともあれ、合格ができて本当によかった・・・。

まとめ

前編中編後編に分けて書かせていただきました、社内運転免許の話。

実はもう取得してから3年近く経っています。

わたしが取得したのは初級なので、難易度は低かったでしたが、

中級は本当に難しいと風の噂で聞きました。

絶対受けたくないです。

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